高血圧の基準値2

おはようございます。暑いです、相変わらず。私はふだんは冷房のきいた診察室に一日中いるのでちょっと外に出ると余計に暑さを感じます。

さて先日、高血圧の基準値のことでお話をしました。その続きです。まず、検査の基準値は大きく分けると2つあります。一つはたくさんの健康な人(あるいは健康な人の方が多い集団)からえられた検査値を集めてそこから基準値を割り出したもので「基準範囲」といいます。少し詳しく言いますと健康な人の95%がおさまる数字を統計処理をして算出します。今回人間ドック学会が公表したのはこの「基準範囲」です。ですので今現在健康な人の血圧はこのくらいですよということはわかりますがその人が将来病気になるかどうかの判断に使うのは難しいのです。一方で学会のガイドラインで言われていて私が外来で説明しているのは「臨床判断値」と呼ばれるものです。これは一般住民の方の血圧を何年にもわたって測りまたその間に(例えば)脳梗塞が発症したかどうかを調査して血圧がこれくらいあると将来脳梗塞になりやすいということを示した数値です。ですので参考にすべきは「臨床判断値」であることは明らかだと思います。

今日はちょっと難しい話を長々としてしまいました。次回から栄養についてお話ししたいと思います。