小林・益川理論

こんにちは。今日も暖か…を通り過ぎて昼は暑いくらいですね。
今日は小林・益川理論について少しお話しをします。もう20年くらい前になりますが益川さんには一度お会いしたことがあります。すごくエネルギッシュというか、好奇心に満ちた少年のような印象の方でした。益川さんは数学の本を短時間で読んでしまうことで有名で、そのときのお話によると数学の本を後のページから読むのだそうです。その本の後のほうに書いてある一番大事な定理をまず理解してしまうから早く読めるとおっしゃっていました。
さて小林・益川理論です。皆さん、よくご存じのように電子はマイナスの電気を帯びています。プラスの電気をもった電子も理論的には存在しますし実験的に(ごく短い時間ですが)作り出すこともできます。しかし現実にはマイナス電子(物質)だけでプラス電子(反物質)はほとんど存在しません。つまり物質・反物質の対称性は著しく破れているわけです。これは宇宙の始めにごくわずかに物質が多かったために反物質は物質と反応して光となって消えてしまったと考えられています。小林・益川理論は宇宙のはじめの物質・反物質のごくわずかな差を説明するためにはクォーク(という素粒子)が6種類なければならないことを示しました。
ノーベル物理学賞の快挙でしばらく物理の話を続けてしまいました。明日からまたアレルギーのお話しです。